バスキュラーアクセス

バスキュラーアクセスとは

バスキュラーアクセスは、血液透析をする際に効率よく血液を取り出して、きれいになった血液を戻すために作られた血液の出入口のことです。血液透析を受けることが決まったら、バスキュラーアクセスを作る必要があります。
血液透析では、毎分200㎖程度の血液をダイアライザーできれいにします。ただし、これだけの大量の血流を確保できる血管は体表にはありません。四肢の深部にある動脈や中心静脈であれば血流を確保できますが、血液透析は週3回ほど必要です。何年間も深部の動脈や中心静脈に週3回穿刺して使っていくことはできませんので、人為的な出入口であるバスキュラーアクセスを作っておく必要があります。
バスキュラーアクセスにはいくつかの種類かありますが、シャント(動静脈瘻)が最も一般的に使われているバスキュラーアクセスです。

シャント手術について

代表的なバスキュラーアクセスの方法です。針を繰り返し刺してもつぶれない血管を作ります。シャントを作った3割程度の方は3年程度で再手術や血管拡張といったメンテナンスが必要になります。ただし、中には10~20年も、再手術なしで使い続けるケースもあります。
当院ではシャント手術は入院の必要はなく、日帰り手術で対応しています。局所麻酔で行うことができ、所要時間は30分〜1時間程度です。自己血管と人工血管を使う方法がありますが、これは患者様の血管の状態を確認した上で選択します。

自分の血管を用いる場合

AVFと呼ばれている手法です。最も多く行われているシャント手術で、皮膚下で静脈と動脈を吻合させてシャントを作ります。詰まりにくいため、長期間使用できます。一般的に、シャントは利き手ではない方の手首付近に作ることが多くなっています。
手首付近の血管が動脈硬化などで状態が良くないケースや、採血や点滴によって傷付いている場合、また再度作るシャントの場合は、肘のあたりに作ることもあります。
注意いただきたいのは、自己血管によるシャントは、作製手術から2~4週間後にならないと使用できないことです。そのため、血液透析開始の時期を見計らって早めにシャントを作っておく必要があります。

人工血管を用いる場合

AVGと呼ばれている手法です。静脈が細いケース、詰まっているケースなどの場合、ご自分の血管ではシャントを作れないため、十分な血流が確保できる人工血管を使ってシャントを作ります。術後、すぐに透析が可能です。自己血管のシャントに比べると閉塞や感染症リスクが高いのでメンテナンスが必要で、約2~3年で荒廃してしまうなど寿命も短い傾向があります。

動脈表在化

シャントはある程度心臓への負担がかかりますので、心不全がある場合は負担のあるシャントは不向きです。こうした場合には、動脈を皮膚の直下にまで移動させ、直接動脈に穿刺できるようにする表在化手術を行います。また、血液透析の際には静脈と動脈の2本の血管への穿刺が必要です。そのため、この手術では、静脈が確保できることが前提条件になります。内シャントを作れない場合も、この手法が選択されます。

シャント手術の流れ

受診の際には保険証をご持参ください。また他院からのご紹介の場合は、受付に紹介状を提出してください。

Step1初診・検査

初診の際には、動脈と静脈の状態を確認する超音波検査を行います。

Step2検査結果と手術の説明

検査結果をわかりやすくご説明し、どの血管でシャントを作るかなどをご相談していきます。その後、手術日を決定し、手術前の事前検査を行います。

Step3手術

手術は入院の必要はなく、日帰りで受けられます。局所麻酔下の手術です。
所要時間は自己血管のシャントで約60分、人工血管のシャントでは約120分を目安にお考えください。

Step4透析開始・メンテナンス

自己血管の場合、シャントができて2~4週間後に透析が可能になります。人工血管のシャントは、手術後すぐに透析開始が可能です。
シャントは定期的なメンテナンスを受けることでトラブルをある程度は防止できます。しっかりメンテナンスして、できるだけ長く快適に使えるようにしましょう。

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