足の冷え(冷え性)

足の冷え(冷え性)

足は心臓から最も遠いため、十分な血液が届きにくく冷えやすい場所です。血液の流れが悪くなると毛細血管への血流が不足して血管が収縮し、手足などの末端に冷えが現れやすくなります。外気温の低さによって冷えを起こすわけではないため、夏にも冷えの症状を起こします。
運動不足など生活習慣によるものが多いのですが、循環器疾患や血液成分のバランスの乱れなどが原因になっているケースもあります。また、慢性的な冷えがあると身体に様々な不調を起こしやすくなります。原因に合わせた治療や正しい対策を行うことで冷えは解消できますので、気になる症状がありましたらご相談ください。

血管外科受診をおすすめする冷えの症状

  • 寒くないのに手足が冷たい
  • 就寝時に手足が冷えてなかなか眠れない
  • バスタブに浸かって十分温まっても、すぐ手足が冷えてしまう
  • 厚着をしても手足が冷える
  • 冬は手足の冷えで痛みが起こることがある
  • カロリー制限をしても痩せにくい

冷えの原因

運動不足

運動不足になると血行が悪化して代謝が低下し、体温が下がります。筋肉量が低下すると体内で効率よく熱を作れなくなるため、身体が温まりにくくなります。

食生活の乱れ

食生活が乱れてミネラルやビタミンが不足したり、血中脂質が過剰になって血液がドロドロになって循環が悪化して身体に冷えを起こします。また冷たいものをとり過ぎる、無理な食事制限を行うなども冷えの原因になります。

ストレス

ストレスによって末梢の血流が悪化して血行不良になり、冷えを起こします。緊張や不安が続くと交感神経が過剰に働いて自律神経のバランスが崩れ、体温調整機能がうまくコントロールできなくなって冷えを起こしやすくなります。

自律神経の乱れ

自律神経は、無意識に行われる身体の機能をコントロールしていて、体温調節もその重要な役割のひとつです。暑い時には血管を拡張させて体温を逃がし、寒い時には血管を収縮して体温を逃がさないようにして身体を守っています。エアコンの効いた室内で過ごす時間が長くなると、気温の変化への感覚が鈍くなって体温調節がうまく行えなくなり、冷えを起こすことがあります。

喫煙

喫煙すると血管が急激に収縮して血液のスムーズな流れを阻害し、基礎代謝を低下させて冷えを起こします。

便秘

消化管の蠕動運動が不足しているタイプの便秘では、基礎代謝が低下して冷えを起こします。

女性に冷えが多い理由

女性に冷えが多い理由女性は筋肉量が少なく、脂肪が多い傾向があります。筋肉量が少ないと熱を作る力が低く、冷えやすくなります。脂肪は一度冷えてしまうと温まりにくいため、脂肪が多い女性は冷えやすいのです。
また、女性は腹部に子宮や卵巣といった臓器があって、血流が悪化しやすくなっています。月経時には血液が減少するため、特に冷えやすくなります。
スカートは足を冷やしてしまい、タイトな衣類で締め付けられると血流が悪化して冷えを起こします。

男性に見られる冷え

男性も加齢によって筋肉量が低下すると熱が十分に作れなくなって冷えを起こしやすくなります。頻尿がある、または身体を温めると肩こりや腰痛などが楽になる場合は、冷えが原因になっている可能性があります。男性は冷えを自覚することが少ないのですが、こうした冷えは増えてきています。

冷えの種類

冷えは、原因などによっていくつかのタイプに分けられます。タイプによって改善方法や有効な対策が変わってきます。

末端が冷えるタイプ

血中脂質が多く血液がドロドロの場合や、血管が動脈硬化で細くなっている場合は、血液が手足の末端まで十分届かずに冷えを起こします。高脂血症や高血圧、糖尿病などの原因となる病気の有無を確かめ、適切な治療を受けることが不可欠です。
適切な治療を受けてもすぐに手足の冷えが改善するわけではないため、冷えの改善には別に対策を行うことが効果的です。手足だけ温めようとしても解消できないことが多いのですが、これは身体の中心も冷えていて、そこに血流を集中させているからです。身体の中心には生存に不可欠な臓器があるため、まずこの部分の保温が優先されます。そのため、お腹などをしっかり温めることで、手足にも血液が十分供給されるようになって冷えが解消します。また適度な運動を習慣付けて、基礎代謝を上げ、血流を改善させることも冷えの解消には重要です。

下半身が冷えるタイプ

姿勢が悪い、同じ方の足を上にして足を組むなど日常のちょっとした癖が積み重なって骨盤や背骨が歪んでしまうと下半身の血行が悪化して下半身が冷えやすくなります。また、おしりや太ももにセルライトがたまると、温まりにくくなって冷えを悪化させやすくなります。正しい姿勢を保ち、ストレッチなどで歪みを解消しましょう。また、半身浴で芯まで温まると代謝が改善して冷え解消に役立ちます。

内臓が冷えるタイプ

ストレスなどで自律神経のバランスが崩れて、手足の末端などの血管収縮がコントロールできなくなり、内臓に冷えを起こしてしまうタイプです。手足が冷えないため、冷えを自覚しにくいのですが、下痢しやすい、風邪をひきやすい、疲れやだるさが残りやすいなどの症状につながりやすい傾向があります。お腹や腰をしっかり温めて冷やさないようにする、生姜など血行を促進して身体を温めるものを積極的にとるなどが効果的です。

冷えの治療

漢方脂質異常症や高血圧、糖尿病などの影響がある場合には、その治療が不可欠です。また、鉄分やビタミンEが不足して血行が悪化している場合には、それらの栄養素を補います。更年期などに多いホルモンバランスの崩れによる冷えがある場合には、その治療を行います。冷えの解消には漢方が高い効果を発揮するケースも多くなっています。漢方薬は患者様の症状や体質などに合わせて処方されます。

日常生活で可能な冷えの改善

入浴・半身浴

バスタブに浸かって軽く汗をかく程度まで身体を温めます。38℃~40℃程度のぬるめのお湯に長時間浸かると高い効果を得られるとされています。入浴後はできるだけ早く靴下をはき、保温に努めましょう。

適度な運動の習慣化

運動は新陳代謝を促進させて血行を改善させます。1日30分以上の散歩、仕事の合間や就寝前のストレッチなどを日常に取り入れましょう。無理にハードな運動をする必要はありません。軽い運動をこまめに行うことが重要です。

飲食物

冷たい飲み物は内臓を冷やして手足への血流を不足させます。水分補給は温かいものか、常温のものをとるようにしてください。身体を温める効果が高い食材には生姜があります。チューブタイプでしたら、料理や飲み物などに気軽に加えてとることができます。

起床時の水分補給

水分補給就寝時には多くの水分が失われます。起床したら身体が吸収しやすい白湯を少しずつ飲んで、身体を効果的に温めましょう。

指先のマッサージ

末梢である指先をマッサージすると全身の血行改善につながります。冷えによる肩こりや疲れを感じやすい場合には特に効果が期待できます。

腹式呼吸で深呼吸

デスクワークの合間などに、腹式呼吸で深呼吸を行うと副交感神経が優位になってリラックスし、血行が改善します。お腹をへこませながら大きく息を吐ききって、お腹がふくらんで自然に肺へ空気が入るようにするイメージで深い呼吸を5分程度繰り返します。

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