高血圧

高血圧症

心臓から送り出された血液は血管壁に圧力をかけます。これが血圧で、心臓が収縮した際の最高血圧と、拡張した際の最低血圧があります。高血圧は血圧が高い状態が続いていて、血管が強い負荷を受け続けるため動脈硬化を起こします。血管が硬く、もろくなってしまい、血管に高い圧力がかかると血管が破損してしまいます。こうした血管の破損が脳に起これば脳卒中、心臓に起これば心筋梗塞、腎臓に起これば慢性腎臓病を発症します。ほとんど自覚症状ないまま進行してしまうので、注意が必要です。

高血圧の診断基準

血圧は計測時の条件によって変化しやすく、診療時での血圧は家庭で計測する血圧より高めに出る傾向があります。
診察時の血圧が140/90mmHg以上ある場合は、高血圧です。これは全世界共通になっている基準です。ただし1回だけこの数値が出たら高血圧と診断されるのではなく、高い血圧が続いていることが確認されたら診断されます。
なお、正常血圧は130/85mmHg未満で、最適な血圧は120/80mmHg以下とされます。

高血圧の合併症

血圧130mmHgが140mmHg台になると、脳卒中発症のリスクは約2倍になり、心血管死亡リスクは1.5倍になります。血圧が140/90mmHg以上ある高血圧はとても危険な状態です。血圧が高ければ高いほどリスクが上昇することもわかってきており、血圧が10mmHg高くなった場合、脳卒中は男性で20%・女性では15%発症しやすくなって、死亡する危険も高まります。同じく10mmHg血圧が高くなると、男性の心筋梗塞などによる死亡リスクが15%高くなることもわかっています。高血圧を解消して適切な血圧を保つことは、様々な病気の予防につながるのです。

日本人の高血圧と減塩

日本人は塩分の過剰摂取によって高血圧を起こしているケースが多いとされています。塩分摂取量が増えると血圧が上昇することがわかっていて、日本人は1日に約12gと大量の塩をとっています。そのため、高血圧の方で1日6g程度の減塩を守った結果、血圧を下げることに成功するケースが多くなっています。

高血圧の原因

高血圧の90%以上は、遺伝・年齢・生活習慣などが組み合わさって発症していると考えられています。血圧を上昇させやすい生活習慣には、塩分の過剰摂取、肥満、運動不足、飲酒、喫煙などがあります。ただし、腎臓病や血管疾患、ホルモンなど分泌系疾患の症状として高血圧が起こっていることもあります。そのため、原因疾患の有無をしっかり調べることが重要です。

高血圧の治療

適切な血圧をキープすることで血管や心臓への負担を軽減して、動脈硬化の進行を抑え、脳卒中・心筋梗塞・腎臓病などにならないようにします。疾患がある場合も進行の防止や再発防止、悪化を防ぐために高血圧治療が不可欠です。健康寿命に悪影響を及ぼす疾患の発症を防ぎ、長く快適な生活を送れるようにすることが最終目的となります。
生活習慣の改善は不可欠ですが、それだけでは十分な結果を得られない場合には薬物療法も行っていきます。

生活習慣病の改善

食事

減塩、野菜や果物が豊富で、コレステロールや脂肪の少ない食事を心がけます。キノコや海藻などの食物繊維もたっぷりとるようにしてください。お酒は適量にとどめます。

禁煙

喫煙は血管が収縮するため、血圧を高くしてしまいます、禁煙しましょう。

運動

軽い散歩程度で構わないので、毎日30分程度の運動を続けましょう。

薬物療法

血圧がなかなか低下しない場合には薬物療法が必要です。高血圧が続いてしまえば、動脈硬化が進んでしまいます。特に、血圧がかなり高い方、糖尿病や腎病のある方は早めに薬物療法を開始する必要があります。血圧を下げる薬には種類が多くあり、生活習慣の改善効果によって処方を変えて適切な血圧をキープし続けることが重要です。血管を拡張する薬、尿を増やして血液量を減らして血圧を下げる薬、ホルモンに作用する薬、塩分排出を促進する薬、神経に作用する薬などを、年齢や血圧、お身体の状態などに合わせて適切に組み合わせて処方しています。

健康診断で高血圧を指摘されたら

1度の血圧測定で高血圧と診断することはできませんが、高血圧だった場合にはその時点ですでに血管がダメージを受け続けています。放置していると血管が硬くもろくなって動脈硬化を起こし、深刻な病気を発症するリスクが上昇してしまいます。特に症状がなくても健康診断で高血圧を指摘されたら、当院までご相談ください。当院では、高血圧のほか、動脈硬化の進行状態も検査しています。

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